2011年に作成した『私達のグランドデザイン』(がんになっても、最後まで住み慣れた我が家で暮らし続けられる地域の在宅医療と小規模施設によるサポートシステム創り)の柱の一つである『がんの闘病記を中心とした医療関連図書室』は、日々進化する「がんの治療法やケアに関する最新情報」を広く提供するもので、市民が利用しやすい場所に設置して、がんの患者・家族をサポートしていきたいと考えています。
「闘病記図書室」には、司書役・ナビゲーター役が詰めて、必要な本が読めるようにサポートします。
もし、相談が必要な方がいた場合には、各部位のがん経験者や、専門看護師等が相談に乗れるようにコーディネートします。
そうした「闘病記図書室」創りの第一歩として、期間を限定した形で、闘病記を展示する取り組みを、平成25年度から行ってきています。
『がんの闘病記500冊展示コーナー』は、さいたま市が2013年7月(9日間)に開催し参加者426名、川口市が2014年1月(3日間)に開催し参加者137名、さいたま市第2回が2014年7月18日〜24日(7日間)に開催し、参加者276名でした。
参加者の多くが、がんの患者や家族など当事者で、必要とする闘病記を読み切って帰るなど、アンケートでも役に立ったとの声が多くありました。また、ピアサポートも、じっくり時間をかけられたこともあって、満足度の高いものとなりました。
広報・宣伝では、両市とも積極的な取り組みをしていただき、医療ネットをはじめとするNPO・市民団体等からの情報発信、そしてマスコミにも取り上げられ、社会的な周知も進みました。
『がんの闘病記500冊展示コーナー』は、NHKをはじめ朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、埼玉新聞などマスコミが、好意的に掲載・宣伝してくれました。
そのことが、来場者数につながりましたが、来場されなかった方でも、その記事を目にして「闘病記」の存在を知っていただけたと思います。
また、行政の担当部局を超えた全体への周知、医療機関や訪問看護ステーション等への周知も行うことができました。
その他、「市民の医療ネットワークさいたま」や「このまちで暮らす会」のチャネルで、市民団体やNPOにも、広く広報することができ、「闘病記図書室」創りの取り組みについての認識を持っていただけたと感じています。
3年後のビジョンとして、常設の「闘病記図書室」を設けて、がんと告げられて、頭の中が真っ白になる初心患者に、がんについての適切な情報提供を行い、落ち着いて治療法や医療機関についてしっかり調べ、納得して治療を受けられるようにサポートできる体制を創りあげたいと考えています。
今回の取り組みで、「闘病記図書室」の基本形はできました。
設置場所も、厚生労働省の進めるがん診療連携拠点病院などでなく、やはり駅の近くで、誰でもが立ち寄れる所が良いとの結論です。
あとは、市なり県なりの決断です。
担当部局は意義を理解、つくる意向もあるので、厳しい財政事情のなかでいかにして実現していくことが出来るかです。
今回の実績を梃子にして、市長とのトップ交渉なり、議員の皆様の理解を得る行動などを展開して、そう遠くない時期に実現できるよう取り組んでいく決意です。
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